乱視の原因

 正常な人の目の角膜は、横方向も縦方向もほぼ同じようなカーブを描いているのですが、乱視の人では横方向と縦方向とでカーブが異なっています。そのために横方向と縦方向とで屈折率に差が生じてしまい、眼底にはっきりとした像を結ぶことができないのです。また、不正乱視のように角膜の表面が凹凸にゆがんでしまっている場合もあります。
 乱視が起きる理由には先天的なものと後天的なものがあると言われています。

 動物は成長期に体も大きくなっていき、それにつれて眼球も大きくなります。このとき、角膜や水晶体も引っぱられ、わずかですが誰でもゆがんでしまいます。つまり、人間だけではなく、すべての目を持つ生物は多かれ少なかれ、厳密に言えば乱視です。
 私たちが通常乱視と呼んでいるのは、ものが多重に見えるといった視覚に障害が起きている場合で、乱視と診断される方と、そうではない方の差は、その度合いの大きさによります。
 しかし、生まれながらに乱視の傾向が強い子もいます。これが先天的な乱視で、多くは遺伝によるものと考えられています。集中力がなかったり、よく転倒する子供を検査してみると、乱視だった例も多いそうです。

 後天的な理由としてよく指摘されることに、見にくい時に目を細めて見てしまう癖があります。この癖が眼や瞳に圧迫を加えて変形させ、乱視になってしまうというものです。近視や遠視の人が見にくい時に目を細めているうちに、乱視になってしまうこともあるそうです。とくに成長期のやわらかい眼球の場合に起こりやすくなります。
 また、さかさ睫毛も乱視の原因になると言われていますし、パソコンなどで目を酷使していることが原因ではないかとも言われています。

 疲れやすい、夜間になるとライトがにじんで見える、頻繁に頭痛がするといった症状がある方は、一度眼科で検査を受けてみることをお薦めします。