近視治療の方法その1<点眼薬による治療>

 仮性近視はパソコンなどで眼を酷使する方や、小学生や中学生などでもよくかかる一時的な近視で、眼の毛様体筋が緊張することで起こります。毛様体筋は瞳の水晶体の厚みを変えることでピントを調節している筋肉です。近くを見るときは毛様体筋が緊張して水晶体が厚く膨らみ、遠くを見るときは毛様体筋は緩んで水晶体は薄くなります。仮性近視になると毛様体筋が緊張したまま、しばらくもとに戻らなくなり、遠くのものが見えづらくなるのです。
 これは一時的なものなので目を酷使しなければ自然に治るのですが、仕事で眼を酷使せざるをえない方や、受験生などはそうも言ってはいられません。

 仮性近視の場合、眼科のお医者さんに行くとミドリンMという点眼薬を処方されることがあります。ミドリンMは毛様体筋を一時的に麻痺させることで弛緩させることができる、仮性近視には効果的な点眼薬です。しかし、その効果は一時的なもので、近視そのものを治せるわけではありません。
 また、すでに真性近視になっている場合はミドリンMは意味がないので処方されません。お医者さんはメガネやコンタクトレンズを勧めてきますので、その場合は素直に従ってください。残念ながら真性近視を治す点眼薬は、いまのところは有りません。

 ミドリンMには副作用もあり、長期にわたって点眼しつづけると、目の調節機能が失われることがあります。また閉塞隅角緑内障のひとが使用すると、最悪の場合は失明することさえありえます。使用するときは必ず眼科のお医者さんの診断を受けたうえで、注意事項をまもるようにしてください。